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設計者コースレート

東の井上誠一、西の上田治

井上誠一と上田治の似顔絵を指すコースナビ男

COURSE CADDIEに載っている2,201コースを設計者で数えると、井上誠一が39コース、上田治が53コース。二人で92コース、全体の4%を占める。

面白いのは、この二人がほとんど同じ時代に、別々の場所で仕事をしていたことだ。

出発点は同じ人だった

二人とも、日本のコース設計の原点にいる一人のイギリス人に行き着く。チャールズ・ヒュー・アリソン。1930年に来日して、廣野ゴルフ倶楽部をはじめとする名コースを設計した人物だ。

井上誠一は1930年、川奈でアリソンに出会って設計の道に入った。上田治は京都帝大で林学と造園学を修めたあと、その廣野の造成に助手として関わっている。

東と西で、きれいに分かれている

井上誠一 上田治
コース数 39 53
東日本 23 8
西日本 16 45
開場した年 1952〜1985 1938〜1977

井上誠一は東日本に23コース。茨城4、千葉4、北海道3、栃木3。ただし西にも16コースあって、愛知カンツリー倶楽部のような代表作もある。「東の井上」とは言うが、東だけの人ではない。

上田治は西日本に45コース。兵庫9、福岡5、岐阜4、奈良4と続く。関西を拠点にして、九州まで足を伸ばしている。

活動の時期もずれている。上田治は戦前の1938年から。井上誠一が本格的に作り始めるのは戦後だ。

数字に出る作風の違い

ここからが本題。二人が作ったコースの数字を平均すると、こうなる。

井上誠一 上田治
平均コースレート 70.7 69.8
平均スロープレート 127.7 125.2
平均距離(レギュラー) 6,354Y 6,333Y
ツアー開催歴のあるコース 15 9

距離が同じでスコアが出にくいということは、距離以外のところで難しくしているということだ。バンカーの配置、グリーンの傾斜、フェアウェイの曲がり方。井上誠一のコースは、そこで差を付けている。

39コース中15コースがツアーの舞台になっているのも、その現れだろう。霞ヶ関カンツリー倶楽部は2021年の東京オリンピックの会場になった。

地形の選び方も違う

地形 井上誠一 上田治
丘陵 24 34
林間 9 8
シーサイド 0 7

上田治にはシーサイドコースが7つある。井上誠一にはひとつもない。

海沿いの土地は、風が強くて砂地で、内陸とは設計の考え方がまるで違う。関西から九州にかけての海岸線を数多く手がけた上田治ならではの数字だ。

面白いのは、その後の改修を手がけた顔ぶれだ。1994年の設計監修は鈴木正一。古賀ゴルフ・クラブの沿革に「故上田治氏の愛弟子」と書かれている人物で、このサイトにも鈴木正一が設計したコースが載っている。師匠のコースを、弟子が手直ししている。

代表作を並べる

井上誠一

コース レート
烏山城カントリークラブ(栃木) 71.9
霞ヶ関カンツリー倶楽部(埼玉) 71.8
大洗ゴルフ倶楽部(茨城) 71.8
鷹之台カンツリー倶楽部(千葉) 71.6
龍ヶ崎カントリー倶楽部(茨城) 71.6

上田治

コース レート
大山ゴルフクラブ(鳥取) 72.0
古賀ゴルフ・クラブ(福岡) 71.8
四日市カンツリー倶楽部(三重) 71.5
岐阜関カントリー倶楽部(岐阜) 71.5

設計者ごとのコース一覧は 井上誠一 と 上田治 のページにある。


設計者は各ゴルフ場の公式サイト(沿革・クラブ概要ページ)から取っている。公式に記載が無いコースは数に入っていないため、実際の設計数はこれより多い可能性がある。コースレート・スロープレートはJGA公認の数値。

この記事に出てくる設計者